こんにちは、ひらりんです。
2023年2月4,5日 二日続けて舞台モノノ怪を観劇してきました。
荒木宏文さんが主演・薬売りさんを演じられました。
いつも通り観劇日記を書こうと思っていたのですが、なかなか筆が進まずこんなに遅くなってしまいました。
観劇してから1か月たった今、無責任な感想を思い切ってまとめようと思います。
アニメ・モノノ怪を知りませんでした
私はノイタミナ(フジテレビ系の深夜アニメ枠)で15年前に放送されたというアニメ・モノノ怪を観ていませんでした。
名作ぞろいのノイタミナの中で人気上位の作品だそうです。
15年たった今でもなおファンが多いといいます。
15周年を記念して昨年の夏、舞台モノノ怪を上演すると発表がありました。
その際主人公の薬売りを荒木宏文さんが演じないかなぁというファンの声でツイートがあふれていました。
それで薬売りを検索して初めてモノノ怪という作品を知ったのですが、ま、そう思いどうりには行かないでしょうとそのことは忘れていました。
そして昨年12月、ついにキャストが発表されたのですが、それが、すぐに名前が発表されたわけではなくて、 金色鮮やかなふすまが開いて手だけを見せるとか、数日をかけてじわじわとじらす発表の仕方。
でも、ファンの人たちはその手だけを見て「荒木さんじゃない?」「荒木さんのような気がする」とツイートしていました。
実際、主人公薬売りさんは荒木さんだったわけですから、ファンの人たちってつくづくすごいと感心してしまいました。
そして、モノノ怪のケの字も知らない娘と私は、なぜかその公式のツイートを見ただけでその出し物が素晴らしいものだと直感し、どんな話かも知らずにすぐにチケットの手配をしたのでした。
モノノ怪の15年来のファンの人たちも、薬売りを荒木さんが演じることへの絶対的な信頼感があり、だれもかれも期待しかない! といった感じでした。
無事にチケットがとれてから、アニメを見て予習をしたのですが、モノノ怪というアニメの「座敷童子」を観て、
「金髪? 黒人?.........これは何時代のお話? ここはどこのお話?」
その世界観に度肝を抜かれてしまいました。
今までに望まれずして生を受けた子供たちが闇に葬られてしまった部屋に通さられた身重の女性のまわりで起きる不思議な現象を、美しく鮮やかな色彩で表現されていきます。
きらびやかなのに恐ろしい、おどろおどろしいのにポップでアート、そういうところに今でも多くの根強いファンが残っているゆえんなのだろうと思いました。
薬売りさんの声は誰の声?
実際に舞台化されるお話はモノノ怪シリーズより前にアニメ化されていた「怪~ayakashi~」から「化猫」のエピソードでした。
そのお話もあらすじを文章化するのもはばかれるような、ひどくて辛くて悲しくて腹立たしいお話です。
それを登場人物たちのどこか現実離れした風貌と背景の美しさがオブラートのように覆い、薬売りさんがかっこいいので多くの人の心を引き寄せたのだろうと思いますが、実にひどいお話でした。
舞台でもアニメでも、子供と一緒に観るのにはちょっと.........と戸惑ってしまうぐらいのストーリーです。
でも、公式から配信されている舞台モノノ怪の重厚感あふれ、奥行きのあるビジュアルの案内はそれだけで期待が膨らむものでした。
劇場も飛行船シアターという、なんとも夢のあるネーミングの劇場で、きっと素人目に演劇にするのは難しいこの演目でも、美しくアートに表現できる劇場なんだなと期待に胸がワクワクしました。
一日目。前から4列目の上手通路ぎわ。
その通路を使って薬売りさんが音もなく登場。
それは本当に薬売りさんでした。
いえ私は本当の薬売りさんをそんなに知りませんけど.........。
でもそこに荒木さんはいませんでした。
よく中の人という表現をするけど、どこをどう切っても中に荒木さんは入っていないというか.........。
特に声が、どこから出しているんだろう? っていうか誰か違う人が声をあててる?
それぐらい荒木さんの声じゃなかったんです。
でも、反対にこれこそ荒木さんにしかできない薬売りさんだと思います。
他の人だとここまで薬売りそのものにはなれなかったと思いました。
激しい殺陣をした後も息を荒げず、じっと舞台上でたたずむときでも瞬きをせず、気配を消したり、もう、人外身があふれていました。
娘はもう、感激に感激で帰りはずっと興奮しておりました。
SNSでも絶賛の声が!
15年来のアニメ・モノノ怪のファンの人も誰一人として悪く書かいているツイートはありませんでした。
他の演者さんたちも皆さんほんとうに素晴らしかったです。
でも、だからこそ私はひとこと言いたい。
演劇はそうそう何回でも観れるものでもないし、席も自分で選べるものではない!
ということを。
想像力のない人間のたわいのないつぶやき
二日続けての観劇でした。
それは、もしかしたらチケットがとれないかもしれないといけないので保険のために申し込んだだけで、二日も家を空けることにはけっこう勇気がいりました。
経済的にも苦しいところはあります。
決して演劇というエンターテイメントとしての値段として高いというものではないです。演劇というのは準備段階からたくさんの人と時間を費やして作られるものだからその対価としてのこの金額は決して高いとは思いません。
でも、パートの一主婦としては高いのです。
そして、夫を一人置いて娘と出かけることへの罪悪感もあって、やっぱり1公演に1回観にいけたらいいかなという考え方です。
演劇はなまもの。役者のコンディションや観客のコンディションによっても見え方が変わるので何回でも観劇し、その都度その都度ちがう感動を味わってほしい、という作り手側の気持ちもよくわかります。
でも、パートの一主婦としては同じ演目に何回も足を運ぶ余裕はないんですよね。残念ながら。
二日目は前から2列目の下手通路ぎわ。
ああ、こんな前の席、にっかり青江単騎出陣の時だったらどんなによかっただろう。
でも、モノノ怪の舞台では真ん中の通路より後ろの方がベスト席だったんです。
なぜなら、真ん中通路でもお芝居をされていたからです。
そんなの前の席の人は見えるわけないじゃん!
おまけに舞台の上部の壁を使ってのプロジェクションマッピングの映像も前の方の席では見えません。
上にハイパーな薬売りさんが映し出されるよというのも、前もって知っていたので首を直角に曲げて上を見上げればなんとか見ることができましたが、私の隣の席の人はそういった情報もなく観にいらしていたので気づかなかったんじゃないかと思います。
注釈付きの席という言葉を今回初めて知りました。
目の見えない人や後ろ過ぎる席で舞台が見えにくい人にイヤホンなどを貸し出し音声で説明をしてあげる席なのかと最初思ったんですけど、そうではなくて、ここはもう柱などの陰になって見えにくい席だとあらかじめことわっておきますよ、という席らしいのです。
後ろの端っこの方の席に多いらしいのですが、この舞台に関しては前の席も注釈付きの席じゃんと思ってしまいました。
もちろん、すごく前の方の席ですから薬売りさんが瞬きしてない! というのもわかり、後ろの方の席ではわからない気づきだってあることはあるのですが.........。
本当に瞬きしていないのかじっくり薬売りの目を見つめていると、目が合ってるんじゃない?ってドキドキして目をそらしたくなるのですが、薬売りさんはもっともっと遠くの何かをみつめていました。
愚痴ついでに言わせてもらうと、プロジェクションマッピングでの演出が多く、白い舞台に映し出される映像は薄いというか少し重厚感がなかったんです。
そういう目で見ると、なんか薬売りさんのしょっている薬箱さえ安物に見えて来て興覚めしてしまっちゃったんですよね。
役者さん方は皆さん、真に迫るものがありました。珠生さんの美しく儚い感じ、パフォーマーさんたちが表現する化け猫の迫力、どの方々もすごかったです。
でも、演出がプロジェクションマッピングに頼りすぎているような気がしました。
演出家の演出が悪いと言っているわけではないです。
たぶん、もっと舞台装置、大道具に予算がかけられたらいいのに。
荒木さんの出演する舞台なんだから、もっともっとお金かけて豪勢にしたらいいのに。
カーテンコールの時には白い何もない空間に出演者が並ぶのですが、ただの何もない舞台が、夢が覚めてしまったようでいやでした。
と、書いて、もしもプロジェクションマッピングの方がお金がかかるんだとしたら、それはもう、私の好みの問題なのかもしれません。
多分、私の想像力が足りなくて、イメージを補完できずにいるからなのかも。
まぁ、少し愚痴ってしまいましたが、モノノ怪は15周年記念ということで、新たにアニメ映画を製作されるそうです。
そのまま、舞台も荒木さんの薬売りでシリーズ化されていくとすばらしいなと思います。
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