こんにちは、ひらりんです。
私は自動車の免許は持っていません。
主人の運転のナビゲーターとして助手席に座ることが多いのですが、すでに還暦を過ぎた主人の横に座るのははっきり言って恐怖です。

ナビゲーターの仕事

連休の初日、車で1時間半ほどの娘の新居に遊びに行ってきました。
あいにくの雨でしたが、込み合っていないようなので高速道路を利用していくことにしました。出発は11時半。雲に覆われているといっても昼間なので、まだ見通しがききます。
バシャバシャと車にあたる雨の音で会話もままならない道中ですが、行きはそれほど恐怖を感じることはありませんでした。
う~ん、それは強がりです。昼間でも、お天気でも私は主人の運転する車に乗るのが怖いのです。


まず、運転中に眠くなってしまうことがあるからです。そのために、眠そうになっていたらすかさずグミやら酸っぱいキャンディやらを口に入れないといけない!
そもそも眠くならないように、絶えず話題を提供し会話をし続けようとしなければならない。結婚20年以上の熟年夫婦にそんなに会話のネタなんてないんですけど。
「さっきの車、福岡ナンバーだったよ。このご時世にはるばる遠くから来たもんだね。引っ越してきてこっち住んでるパターンか?」
「あのバス、大阪行きの長距離バスだよ。今の時間だと何時ごろ大阪に着くんだろうね?」
なんとか会話になるように疑問形で終わらせるようにします。
お願いだから、がんばって運転して―――! 心の中で叫んでいます。

それから、私がナビゲーターにならなきゃいけなくなります。うちの車にはカーナビ付いているんですけど、道って次から次にどんどん新しくなるもんだから、気がつくとナビの地図の上でうちの車、宙を走っているんですよね。そして、無口になる、ナビの中の女の人。
なので、私が代わりに道路標識を見て、次は左だの、右だの言ってあげないといけないのです。
だいたい、スマホのアプリだって勝手にバージョンアップする時代に、なんだって道が新しくなるたんびにディーラーに車を持って行って高額払ってナビをバージョンアップしなきゃなんないんだろう。道が混んでるとかはリアルタイムでわかるくせに。
私は左右盲というもので、すぐに右と左が判断できないのです。標識の矢印が右と書かれていてもそれをすぐに口に出して「右」と言えないのです。
なので、ナビゲーターの仕事というのはかなり緊張するのです。高速で右と左を間違えると命とりですからね。
でもまぁ、明るいうちなら何とかなるんです。たとえザーザーの雨の中でも。

夜の高速道路、しかも大雨って

夜になると怖さ倍増です。倍増どころか、3倍、4倍……。
雨の夜の高速道路、最悪です。だから、日が暮れる前に帰りたかったんです。でもさみしそうな子供をひとりおいて別れることがなかなかできず、帰途に就いたのは夜7時過ぎ。
雨はやむどころか、さらにひどくなってる。とっくに日は暮れ、真っ暗のザーザー。

私は助手席に座って、また行きと同じように自分の命を守る行動をとらなければなりません。
つまり、主人が寝ないように、道を間違えないように、ただ頑張るのです。
豪雨はすごい音で車にぶつかり、会話もボリュームを上げていかないと聞こえません。
前の車の跳ね返りで前が見えなくなるときさえあります。
道路標識は夜になると見えにくくなりますが、雨だとなおのことです。緊張しながら道路標識を読む私の横で、主人はやっぱり眠くなるのです。あわてて口にキャンディをいれます。

カーナビは新しい道を知らないので古い道で帰れと言ってきます。でも、30分以上は早く帰れる新しい道で帰りたい私たちは、ナビの言うことを聞かず自分で判断をしなくてはならないのです。
二股に分かれるところで左に進路を取らないといけないのです。
前回もそこで迷って、一瞬高速道路の真ん中で止まりそうになりました。
「そこを左に行くの!」
「えっ? ここでいいの?」
「え、え、えー、いいの、いいの・・・(たぶん)」
私だって、自信がないのです。でも、その迷いが事故のもとなんですよね。あぁ怖い怖い。

私は夜の高速道路を運転する人を尊敬します。この道がずっと続いているなんてわからないんだもん。見えないんだもん。カーブのところなんか特に。中央分離帯の点滅が弧を描いているのだろうけど、道をふさいでるのかもしれないと思ってしまうんです。周りが真っ暗で何も見えないと。
でも車を運転できる人は、この道が続いていると、信頼を持って道路に身をゆだねることができているみたいで、すごいなと思ってしまいます。

やっとカーナビが息を吹き返し、あれやこれやと指示を出してきました。あと10分もすれば目的地我が家に着くと教えてくれています。
あと10分この恐怖を我慢すれば、私は足を踏ん張って体をカチコチに固まらせることから解放されるのだ!
1時間半、そんなのすぐだ、と主人は言うけれど、私にとっては長い旅路なのです。

そして、また今度の週末も娘のところに行こうという主人なのでした。


にほんブログ村