こんにちは、ひらりんです。
宇宙人のような思考回路を持つ、とうてい理解のできないうちの長男についてのシリーズ第4弾です。
息子は中学受験をさせて、遠い寮のある中高一貫校に入学させました。
飛行機で2時間ほどかかり、そこからバス電車と乗り継いで1時間近くかかる遠い学校へ、小学校を卒業したばかりのまだまだ幼い12歳の子供を押し込んじゃったのです。
今回は息子を寮のある学校へなぜ入れたのかについて書きます。
宇宙人を朝起こす自信がなかったので寮に入れた!?
私が長男を宇宙人だと思うのは日本語があまり通じないからなのです。今は少しは成長して人間らしくなってきたなと思うこともあるんですが、小学校の頃は手が付けられない感じがありましたl。
ちょっとした言葉で機嫌が悪くなり、暴れるか飛び出すか、外出先だと動かなくなるか、という感じでした。
言葉の発達が遅れてる? と思われるかもしれませんが、そうではないんです。
ドラマに出てくる悪い政治家や弁護士のように、わけのわからない論法でこちらをしゃべり負かすことは得意なんです。
こっちの言い間違えた細かいスキを狙ってマシンガンのように言い負かしてくることもあります。
ホント疲れます。
だから言葉の問題ではないと思うんです。性格の問題なのだと……。
特に朝は機嫌が悪いです。無理やり起こしたら最悪でした。
6年生の時は登校班のリーダーをしていたのですが、その任務さえも遅刻してさぼっていました。週に1回だけのお仕事なのですが、何度も他の6年生に代わってもらっていました。
責任感はないのか! と怒鳴りたくなるのを抑えて、できるだけ刺激しないように起こしていました。
子育ての本で「朝起きるときぐらい気持ちよく起こしてあげましょう。一日の始まりなんだから、怒鳴られて起きるのは誰だっていやなものです」
みたいなことが書いてあり、それもそうだと思って、足をマッサージしたり、靴下はかせたり、なだめすかしたりして起こしてました。
それでもぎりぎりまで起きなくて、結局本当のぎりっぎりに起きて、起きたと思ったら悪態ついてご飯も食べずに飛び出していく、という日がしょっちゅうでした。
本当に学校へ行ったのか心配になって、学校の下駄箱に息子の靴がちゃんとあるか調べに行ったこともしばしば。
一日の始まりなんだから気持ちよく始めたい、っていうのはこっちのセリフなんだよ! と心の中で叫ぶ毎日でした。
中学校に入れば小学校よりも遠くなるわけですから、もっと早く起きなければなりません。勉強だって、部活だって今より大変になることでしょう。そのため夜寝る時間が遅くなれば、朝にしわ寄せが来るのはわかりきっています。
何より、身体の成長には睡眠がとても大事だと聞きます。中学生になって身長がぐんぐん伸びる時期は子供にとって眠たくてしょうがない時期だといわれています。
ただでさえこの宇宙人みたいでわけのわからない子を私は、眠りの深い中学生になっても毎日起こさなくてはならないのかと思うとほんとめまいがしてきました。
勉強にしろ部屋の掃除にしろ、それこそ朝起きるにしろ、息子は誰かに指図されるのがいやなのです。
親になら甘えがあるので文句を言いますが、他人だったらどうでしょう。長男は内弁慶で外では小さくなっている子でしたから、他人から言われれば素直に言うことを聞くのではないかしら。
寮のある学校に入れたら、この子はどんな風に成長するんだろうと私は少しずつ本気で息子を寮に入れることを考え始めました。
寮の子供たちには反抗期がない!?
気に入らないことがあると急に暴れだしたり、物を投げたり、家を飛び出したかと思うと、玄関の扉を傘でガンガン叩いたり(いまだに鉄の扉はへっこんだままです)、そんな長男を小学校3,4年生の時に山村留学に出そうと考えたことがあります。
新聞のすみに「宇宙留学」という広告を見つけたときでした。今でも続いている種子島宇宙センターのある鹿児島県南種子町で行われている山村留学です。
(詳しくは町のホームページhttp://www.town.minamitane.kagoshima.jp/ まで)
科学の最先端であるロケットの発射を目の当たりに見ることができ、ウミガメの産卵など自然にも触れることのできる体験を幼い時にさせてあげれば、未熟な精神も大きく成長できるのではないかと考えたのです。
そこで主人は尊敬している占いの先生のところへ相談に行きました。
先生の意見は、あまり賛成しないとのことでした。勉強もせず遊んでばかりになってしまうというのです。
私は息子が野生児のように野や山を駆けまわっている絵を想像してしまいました。それはそれでたくましくなるのでいいのですが、まだ幼かったので私たち親の方で離ればなれになる決断がつかず断念しました。
中学生から寮生活という選択肢があるというのは、上の子の中学受験の時に知りました。
函館白百合学園の先生が塾の説明会でお話をしてくださったのがとても印象に残り、娘も入れたいなと思ったほどだったのです。
要点をまとめると
●北海道などの地方では交通の便などもあり、雪で通学が困難なこともあるので中学から寮に入ることは別に特別なことではなく珍しいこととして見られない。
●通学にとられる時間がいらなくなり、その分部活や学習に有効に使える。
●自分のことを自分でする、自立心が育つ。
●起床時間、学習時間など規則正しい生活を送ることができる
●親と離れて暮らすことにより親への感謝の気持ちがはぐくまれ、思春期の特徴である親への反抗が見られない、ことが多い。
この最後の親への反抗期があまり見られない、というのが魅力的でした。
ま、娘は近くの一貫校へ通うことになりましたが、今度は息子の番です。いろいろな学校の説明会へ参加してお話を聞いてきたのですが、その中に寮のある学校も何校か含まれていました。
寮には学校によりいろいろな特徴がありますが、大きく分けて2つに分かれると思います。
①集団生活を円滑にするために規律を大切にするタイプ
②家庭の安らぎを大切にしているタイプ
①の方はルールがたくさんあり、規律を重んじます。部屋の掃除、ベッドメーキングなどがちゃんとできているか先生や先輩が指導しチェックするとか。時間を厳しく管理するとか。
こういう寮で育つと、自分で部屋もきれいにできるようになるし、時間を上手に使えるようになるんだと思います。
連帯責任的なものもあって仲間意識も芽生えるでしょう。
②の方は、家庭にいるようなリラックスができる空間を作ろうとしています。
寮のいいところである門限や自習時間などのある程度のルールはあるけれども、それよりも学校から疲れて帰って来た時に「お帰り」と受け止めてくれるリラックスした雰囲気を大切にする寮です。
私は②の方がいいと思っていました。
「中学という新しい環境の中で子供たちは新しい人間関係を築いていかなければなりません。疲れて帰ってきた家庭で「ちゃんと宿題したの?」「さっさとお風呂入りなさい!」「あんな汚い部屋じゃ、勉強できないでしょ」などと小言を言われていたら心が休まりません。
家庭ではほっと一息できる雰囲気を作ってあげて、また明日から元気に学校へ行くぞという気持ちを持たせるようにしてあげてください」
と以前上の子の学校で開かれた講演会で聞いたことがあったからです。
長男は指図されるのが嫌いなところもあるし、誰にでも心を開くタイプではないので無理やり集団生活をさせてもしんどいだろう。性格面から言っても②の方があっていると思いました。
主人の希望は大学付属の中高一貫校であることでした( 日能研、家庭教師、勉強大嫌い宇宙人との攻防ー宇宙人の育て方シリーズ2ー にそこのところ詳しく書いています。あわせて読んでくださるとうれしいです)
そんな条件にあう中学校を九州に見つけてしまいました。
説明会でお話を聞いた時には、学校の教育方針も素晴らしいものでした。私の母の実家にも近く、ぜひ通わせたいと思ったのです。寮がなくても、家が近かったら第1志望にしたい!と思うぐらいいい学校だと思ったのです。
もちろん、その学校ではなくて家から通える中学校を第1志望にして複数受けたのですが、結果的に九州にあるその学校へ行くことになってしまいました。
息子と学校や寮を見に行き、本人に納得させて決めました。
寮生活、向き不向きはあるけど、何が正解かはわからない
長男を寮に入れてからしばらくは、とても寂しい気持ちになりました。
夕方、近くの小学校から子供たちが帰宅する声が外から聞こえてくると、なんとも言えない気持ちが襲ってきたものです。息子の話題になったりすると涙があふれてきたりもしました。
でも、そのたびに頭に浮かんでくるのは、種子島に山村留学をさせたら遊ぶだろうと言われたときに描いた野生児のように生き生きと走りわまわる息子のイメージ図。
あの子は大丈夫。親がそばにいなくても楽しくやっている。大丈夫。
そう自分に言い聞かせていました。
でもそれは違っていました。息子も親がそばにいない環境に慣れるために必死だったようです。かなり寂しい思いをしたと思います。
寮生活の詳しいお話はまた別の機会に詳しく書きます。
子供によって寮生活に向き不向きはあると思います。それはその寮の運営方針によっても変わってくると思います。
うちの子は寮監に寮生活は向いていないと1,2年たってから言われました。
ですが、結果的に6年間頑張って寮生活を送ることができました。
成績が親の知らないうちに下がってしまって1年生を終わらないうちに関東に引き上げた子もいました。
寮のゆるい規則すら守れず退寮となり、隣の県から電車通学しなければならなくなった子もいました。
食事が口に合わず、スーパーのお刺身を買って店の裏でこっそり食べている子もいたそうです。
そんな中、寮生活は向いていないと言われた息子は何とか自分の居場所を見つけ6年間過ごすことができました。
反抗期はなかったか、というとありました。なんなら、今も反抗期です。
親への感謝、どころか、「なんでこんなところへ押し込んだんだ」と言わんばかりの反抗がことあるごとにありました。
でもそんな態度は、家から学校へ行っていてもたぶん変わらなかったと思います。
素晴らしい教育方針をうちあげていた学校は、期待外れのところが多々ありました。こんなつもりじゃなかったと思うこともいっぱいありました。
でも、こんなことならこんな学校に通わせなかったらよかった、寮なんかに入れなければよかったと、いまさら言ってもどうにもなりません。
息子の人生にケチをつけるだけです。
息子がこの6年間で得たものをこれから先どう生かすかは、子供自身にかかってきます。
息子は親の願いに反してストレートに上がれる大学へは行かずに、普通に受験し関東の大学へ入学しました。
そして、時々九州弁を話し、九州出身だとみんなに自己紹介をして、楽しそうに大学生活を送っています。
東京に進学した同級生もたくさんいて、今でも仲良く付き合っています。
「九州に帰ってきたらいつでも泊りにおいで」と言ってくれる、九州のお母さん、お父さんもできました。
それは息子が6年間のあいだに自ら築き上げたかけがえのない財産なのだと思います。
下の図は息子の入っていた寮の部屋です。
1つの部屋を四人で仕切って使っていました。
詳しい寮での生活についてはまた改めて記事にまとめます。お楽しみに。
日本語がかみ合わない宇宙人のような息子との生活をまとめた宇宙人の育て方シリーズ1から3( コロナ禍なのに手も十分に洗わない宇宙人ー宇宙人の育て方シリーズ①ー 日能研、家庭教師、勉強大嫌い宇宙人との攻防ー宇宙人の育て方シリーズ2ー 大学3年、就活開始しないの?僕にはスーツはいらない!? ー宇宙人の育て方シリーズ3 ) もあわせて読んでくださるとうれしいです。
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